時事通信社の取材を受け、陸奥新聞をはじめ各新聞に紹介されました。
※時事通信社配信
Yahoo!ニュース掲載記事はこちら→
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160106-00010014-nishinp-soci
預ける際 必ず訪問
老犬・老猫ホーム
人間もペットも高齢化が進む中、犬猫の世話についての関心が高まっている。ここ1、2年で急速に増えている老犬・老猫ホームについて、サービス内容や実情を調べてみた。
高齢の犬猫を預かる「東京ペットホーム」(東京都大田区)。2014年6月、代表の渡部帝(あきら)さん(46)夫妻が「行き場のない犬猫の受け皿になりたい」とオープンした。
猫が過ごす部屋は、ストレスを考えて犬舎から離れた建物の中にある。個室の2段ケージ、キャットタワーの他、広場もあり、日中は相性のいい猫同士が穏やかに過ごす。南側の窓際には人工芝も敷かれており、日なたぼっこもできる。
現在は14~21歳の猫10匹がいる。預けられた理由は「高齢女性の1人暮らしで、精神的に世話が負担になった」「ペット不可の高齢者用マンションに転居した」「飼い主が亡くなり、子どもが預けた」などさまざまだ。
老犬7匹は夫妻の自宅1階を改装した部屋にいる。14~16歳で、目が見えない、耳も聞こえず、オムツをしていたり、認知症で足をかみ続けて皮膚の一部がはがれたりする犬も。
それでもほとんどの犬は、散歩中に排せつする習慣があるので、毎日外に連れ出している。渡部さんは「猫より犬の方が介護は大変です。飼い主は『最後まで自分が面倒を見られない場合、頼める人がいるのか、いない場合どうするのか』ということを熟慮してほしい」と話す。
契約書などチェック
老犬・老猫ホームをめぐっては、2013年に改正動物愛護管理法が施行され、悪質な業者対策として、動物取扱業者が自治体に登録申請する際に「譲受飼養(ゆずりうけしよう)」が加わった。所有権が飼い主から業者に移る形態で、本来は老犬ホームを想定したものだが、登録数は全国で44件(14年4月現在)にすぎない。ホームのほとんどは「保管」で登録しているペットホテルなどが運営しており、ホームの実数は不明だ。
また、業者が登録申請の際に扱う頭数、ケージの大きさなど施設の数値基準や細かい決まりはないため、運営内容は施設によってばらばら。ペット問題に詳しい浅野明子弁護士は「動物は終生面倒を見ることが飼い主の義務ですが、事情があって預ける際は、登録形態にかかわらず必ず施設を訪ねること」と指摘する。
その上で設備、衛生面、経営者の考え方、スタッフや獣医師の質、面会の有無、費用をはじめ、経営が行き詰った場合などについて「契約書の内容も含め、納得いくまでチェックしてください」と助言している。